紫村昌太郎の室内映画渉猟記 ‐我が部屋こそがグラインドハウス‐

当方名古屋市在住の四十路男子。見るは娯楽映画一筋。いい年こいてのB級趣味。

「大殺陣雄呂血」

 実家に帰省中した際、地元ケーブルTVで時代劇。

 これは秀作だった。

 昭和41年作品。監督は田中徳三、脚本は星川星司、中村努。

 武家社会の柵から人斬りの罪を着せられた小布施拓馬(市川雷蔵)の、絶望的な運命を抗っての逃亡の日々を描く。

 圧巻なのは、ラスト20分に及ぶ大殺陣。鬼神と化した拓馬が、100人に近い捕り方や藩士を相手に斬りに斬りまくり、血道を開く。その様は、リアルな哀愁と残酷、そしてヘヴィーな宿命感が満ち、モノクロームの画面から毒々しいまでの妖幻の美が散華するごときで、見る側を慄然とさせる。

 他の出演者は、八千草薫藤村志保中谷一郎藤岡琢也、五味龍太郎、加藤嘉、他。二人のヒロイン以外は皆が故人。

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