紫村昌太郎の室内映画渉猟記 ‐我が部屋こそがグラインドハウス‐

当方名古屋市在住の四十路男子。見るは娯楽映画一筋。いい年こいてのB級趣味。

「桜塚やっくんの美女men」

 平成25年に事故で急逝した芸人、桜塚やっくんが主演に加えて、本名の斉藤恭央として原案と制作にもタッチした遺作。

 まったく売れないまま解散したロックバンドのメンバーたちが、それでも音楽をあきらめきれず、バイトに励む一方で、ガールズバンド“美女men”として、女装で再デビュー。

 モダン芸道物のだ。

 いい年こいて夢を追い、同時に自我を確立しようとあがく者たちへの、あたたかくもシニカルな、リアリズム賛歌である。